発酵おうちごはん®︎講座のコミュニティでは、その道のプロから直接お話を聞く機会を設けています。
現場の声を聞く、学ぶ、伝える循環ができれば食品産業が盛り上がる!
そういう思いがあるので、今回は、徳島県の誇る志まや味噌さんから浜野ひかりさんにお越し頂きました。
明治32年(1899年)に創業した志まや味噌さん。元々は麹屋さんだったそうです。
先代が醤油を作っていた頃に麹アレルギーということが発覚して以来、醤油は生産されていないという話に驚きましたが、現在は味噌を中心に、おかず味噌、塩麹、甘酒、麹菓子などを販売されています。
名前の由来がわからない!?
ひかりさん:「社長に名前の由来を尋ねても、分からないから聞かないでくれ笑って言われたのをはっきり覚えてます。」
その後自分で情報を探しては、創業の時期がずれてくると思えるような資料に出くわしたり、周りから語り継がれてきた内容だったり、図書館にある資料からの情報だったり、自分なりの歴史=ストーリーを話してくれたひかりさん。
山口:「本から得た情報を話すだけなら誰にでもできるけど、自分の歴史を話せるのは強みですよね!」
お味噌の魅力
ひかりさん:「家業を継ぐまでお味噌汁を作れなくて、フリーズドライのお味噌汁を飲んでたんです」
そう笑いながら話してくれるひかりさんに、お味噌の魅力を伺うと、
「お味噌汁を飲むと、あ〜日本人だな〜と感じられるんですよね。」
「ご当地ごとに味が違うのが面白いし、それがお味噌の魅力ですよね。」
「お味噌を隠し味として使える!」
などなど、うんうんと思わず共感できる魅力を伝えていただきました。
大型チェーンではなく、ここにしかないところに味がある
山口:「東京・大阪からでも、四国八十八ケ所を廻るために来てくれています。個人経営の方が味があり、そういうお店が多いほどその街が観光地となる。そこにしかない物・事を体験するところに観光が生まれる。だからこそ私たち自身もそういう個人のお店に目を向ける必要があるなと感じます。」
忙しい女性たちがスーパーを頼るのは仕方ない反面、お味噌はお味噌屋さんから、漬物は漬物屋さん、魚は魚屋さんで買う、など個人経営のお店にも目を向けていってもらいたいですね。
志まや味噌さんの進む道
ひかりさん:「計り売りは残していきたいですね。」「新しく変わり続ける部分も大事。年に1回は新しい商品を作り続けたり、お客様を飽きさせないようにしたいです。」
山口:「今まで出してきた中で人気の商品はありますか?」
ひかりさん曰く、「麹あんこ」は2021年6月から大ヒット中の商品だそうです。あんこが苦手なひかりさんもあっさりとして食べられるというお砂糖を使っていない麹あんこ。アイスやお餅と一緒にバタートーストと合わせても美味しいそうです。これは美味しそうですよね。女性の心を掴んだという商品。ぜひ皆さんも試してくださいね♡
ファン作りの秘訣は?
ひかりさん:「お客様を飽きさせないことですかね。」「それこそ山口飲食さんの方がお分かりな部分では?」
山口:「2ヶ月に1回にメニューを入れ替えてますが、定番は残しつつです。楽しみに待って頂いているんですが、中途半端なものを出すとお客様には分かってしまう。すぐには商品はできないから試作する時間も必要なんですよね。」
ひかりさん:「以前は百貨店で働いていたので常に新商品が出ることが当たり前な環境にいました。いざメーカー側になった時に、いかに新製品を出し続ける企業努力がすごいのかを実感しました。」
山口:「コンビニでは1〜2週間に1回新商品が出ているんですよね。刺激を求めてしまう消費システムの中に生きていると怖くなってきちゃいますよね。」
出したものは続けていく=定番があるからこそ新商品にチャレンジできる
ひかりさん:「物に溢れてるからこそ残っているものはすごい。」「出したものは続けていくという父の方針があるので、それは常に心で考えています」
山口:「リピーターさんが定番を買い続けてくれるからこそ、私たちは新商品にチャレンジできるんですよね。」
その他、お味噌を使ったお料理のアイデアや、食材に応じたお味噌の選び方、お味噌作りの失敗談など、コミュニティの生徒様からもお味噌に関する質問がたくさんチャットで寄せられましたが、ひかりさんに一つ一つ分かりやすくお話しいただきました。
お忙しい中対談にご協力いただいた、志まや味噌のひかりさん。本当にありがとうございました。これからも徳島、日本を代表する発酵食品であるお味噌を世界に届けていってもらいたいです♡